パパが飲んだビールシリーズQ

 

Samuel Adams

 


醸造:アメリカ国内そこらじゅうで生産されているので、よくわからん!

アクセス:ワシントン界隈ではどこでも入手可能。

 

寸評:

Samuel Adams Winter Lager

“Spiced with a combination of seasonal flavors (coriander, orange peel, Hawaiian ginger, etc.) that vary from year to year, Samuel Adams Winter Lager has become a regular fixture on overflowing holiday beer shelves.  Its sweetish, malty mouthfeel balances a noticeable bitterness at the swallow, drawing in the full range of available tastes to produce a firm, complex mouthfeel.  The dark, reddish-amber body finishes rich and hearty on the palate.  A rewarding and festive brew that always enchants taste buds.” (365 Bottles of Beer for the Year 2002)

 

Samuel Adams Octoberfest

“Offering a slightly different taste profile each year, Samuel Adams Octoberfest continues to deliver a flavorful potpourri of spices and sweet maltiness that makes you sorry the festival doesn’t continue for another day or two.  Hints of bitterness vie for attention with a dried-fruit character, while flowery aromas link up with carefully crafted roasted aspects.  This American-made Octoberfest would fit quite comfortably amongst the heavy-hitters in Munich.  It was a Bronze medal winner at the 2000 World Beer Cup.” (365 Bottles of Beer for the Year 2002)

 

 

ひとこと:

いよいよ、最も多く輸出されているアメリカビールの登場だ。「サム・アダムス」の愛称で知られるこのビール、バーで注文するのにちょうどお手頃でわりとお世話になっている。お味の方はというと、先日酷評した「シエラ・ネバダ」と同じく飲んだ瞬間口のなかで「重さ」を感じる。バーで飲んでも、二杯三杯とおかわりを続けるうちに結構酔っ払ってしまうビールだと思う。同じバー系ビールでも、「ハープ」や「バース」といった輸入ビールとはちょっと重さが違う。ワシントン周辺で「サム・アダムス」に匹敵する口当たりの地ビールといったら「フォギィ・ボトム」ぐらいだろう。

 

アメリカ独立前のボストンの急進的清教徒指導者に由来するそのラベルは、まさにサム・アダムスがビールのジョッキを持っているイラストだ。このイラストは、夏期限定の「サマー・エール」以外は殆ど全て同じである。

 

ただ、僕は実は「サム・アダムス」に一種のあざとさを感じている。目玉商品の「ボストン・ラガー」だけで売ってもそこそこ売上を上げられるくらいビアパブやバーではよく見かけるビールであるにも関わらず、季節限定のビールをやたらと販売する。「スプリング・エール」「サマー・エール」の次が「オクトーバー・フェスト」、そして冬が来れば「ウィンター・ラガー」である。これに最近ライト・ビールまで発売を開始した。まるでどこかの国のビールメーカーのようなことをやっている。王冠コレクターにとって辛いのは、季節限定ビールはおろか、主力の「ボストン・ラガー」以外に通年販売している幾つかの商品で王冠のデザインが全て違うことだ。地ビールの範疇に入る「ブルックリン」が銘柄毎に王冠の色を変えていることに対する不満よりも、天下のサム・アダムスがそれをやることのあざとさといったらない。それに、醸造会社名がボストン・ビール社となっているにも関わらず、実は銘柄によって生産地が異なる。「オクトーバー・フェスト」はオハイオ州シンシナチとオレゴン州ポートランドで生産されているし、「ウィンター・ラガー」もポートランド産だ。他にも、ペンシルベニア州ピッツバーグでも生産されている。名前の由来は会社名とは違い、本当にマサチューセッツ州で生産されている銘柄はあまり多くない。僕はつい最近まで「サム・アダムス」はボストンの地ビールだと思っていたが、はっきり言って「バドワイザー」「ミラー」「クアーズ」に続く第四勢力のナショナルビールだ。

 

などとボロクソ書いたのだが、実は味はそんなり悪くはないと思う。飲んだ瞬間「あれ?」と思うことはあっても、「不味い」ビールでは決してない。最近入手した「The Beer Lover’s Rating Guide」によると、「ウィンター・ラガー」は5段階評価で2.2−3.9、「オクトーバー・フェスト」は3.7だ。飲み応えがあるので、そこそこの好評価を受けるのも十分合点がゆく。それでも、季節限定モノを6本パックやダースで買って、飲みきらないうちに次の季節限定モノが出回るようになっていた時のやるせなさといったら・・・ 僕は、我が家の晩酌で「サム・アダムス」はあまり飲みたくない。ビアパブやバーでいくらでも注文できる銘柄をわざわざ自宅でも飲むのはなぁ。どこでも大量に手に入るようなビールは希少価値がなくてここでご紹介するのも憚られる。せいぜい季節限定モノに限定したいものだ。

 

2003年1月2日)

 

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