パパが飲んだビールシリーズ49

 

Miller

 

 


醸造:ウィスコンシン州ミルウォーキー

 

アクセス:

「ジャイアント」「セーフウェイ」あたりで簡単に入手できる。

 

寸評:

Miller Genuine Draft (MGD)

Miller High Life Pilsner

Miller LITE

敢えて書くまでもない。

 

ひとこと:

2003年2月は、なぜかしら「ミラー」のお世話になることがたまにあった。

 

出来事その1: 2月15日深夜から17日にかけて、アメリカ東海岸一帯は記録的な大雪に見舞われた。ところによっては1m近くも積もった大雪のおかげで、17日に開催予定だったカレッジ・バスケットボールのジョージタウン大学対ピッツバーグ大学の試合は、翌日に延期された。知り合いと一緒に観戦する予定だったが、こんなことになるとは想像すらしていなかったぼくは、18日に延期されたことについて、その知り合いに連絡をとることができなかった。各自が新聞やラジオの情報を頼りにチケットを持って会場であるDCのMCIセンターに来てくれることを祈りつつ、ぼくは1人地下鉄に乗って会場に出かけた。案の定会場はガラガラ状態で、22ドルのチケットにも関わらず、非常に良い席から地元のジョージタウン大学を応援することができた。事前にチケットを渡してあった3人は結局来なかったけど、ぼくは会場で売られていたフィッシュ&チップと「ミラー・ライト」を肴に、今年は全然弱い地元チームを応援した。

 

出来事その2: 2月19日、ぼくが18年前のアメリカ留学の際にお世話になったデイジー・ミラー夫人がルイジアナ州バトンルージュでお亡くなりになった。急遽葬儀に出席するために単身バトンルージュに出かけたぼくは、当初の日程を終えて、22日夜のフライトでアトランタ経由でDCに帰ることになっていた。しかし、ニューオリンズからアトランタに午後10時過ぎに到着したものの、アトランタからDCに向かうフライトが、ダレス空港が濃霧で閉鎖されたために飛ぶことができず、結局フライトが翌朝4時発に延期された。搭乗まで5時間しかなくてアトランタ空港の外のホテルで泊まる気力もなかったので、ぼくはそのまま空港待合室のベンチで夜明かしすることにした。その前に、よく眠れるようにと、搭乗口近くにあったバーで、「MGD(ミラー純生)」を1本飲み干した。(ここでのポイントは、お亡くなりになられたのがミラー夫人だということにあるわけではない。)

 

結局のところ、何が言いたいかというと、「ミラー」とは、そういう状況でよく見かけるビールだということなのである。スポーツ観戦に行けば「ミラー・ライト」は定番だし、バーに行けば「MGD」なのだ。「バドワイザー」といい勝負である。ぼくがわざわざここで取り上げるまでもなく、「ミラー」といえば「バドワイザー」に匹敵するアメリカでは横綱格のメジャービールである。味についてとやかく言うつもりはない。これだけの知名度と浸透度なのだ、ビール通でない諸兄が気軽に手にすることができるブランドであるわけだから、無難で大衆受けする味である。

 

それにしても、MCIセンターやダレス空港のバーなら「ミラー」や「バドワイザー」に並んで、地ビールの筆頭格である「ドミニオン」のエールが健闘しているところだが、アトランタの空港には、ジョージア州の地ビールなど全く置かれておらず、いわゆる全米でそこそこ名の通ったブランドのビールが幅を利かせているところが気になる。アトランタ空港の不便さは空の利用客にとって非常に悪名がとどろいているのだが、ここのバーのオリジナリティのなさも特筆ものである。特徴のないバーで飲むビールには、感動もへったくれもない。

 

2003年2月24日)

 

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