パパが飲んだビールシリーズ66

 

Red Hook

 

 


醸造:ワシントン州シアトル

 

アクセス:

西海岸のビールとしては比較的入手がしやすい。「IPA」「ESB」「ウィンターフック」等は、スーパー「ジャイアント」等でも簡単に手に入る。

 

寸評:

Red Hook Winterhook

“Though Winterhook’s recipe is reconfigured from year to year, it’s sure to feature the plentitude of spices and dry, toasty barley component which are the attractive hallmarks of this tasty holiday ale.  It has also been known to offer up an appley, spicy aroma and a malty caramel and chocolate mouthfeel that is rich and hearty.  Always deep ruby-amber in color, Red Hook’s bountiful array of complex flavors will make all your Christmases very merry indeed.” (365 Bottles of Beer for the Year 2003)

 

“Apple aroma with moderated back-of-the-mouth spritzy sharpness on first sip; nicely balanced between smoothness and some prickliness; unobtrusive, but maintains its identity with food; perhaps a little too watery and thin; segues into bland at the end; may vary from year to year. Just right with holiday cookies and cakes.” (The Beer Lover’s Rating Guide)

 

ひとこと:

「レッド・フック」の位置付けは、東海岸におけるカリフォルニア産ビールとしての「シエラ・ネバダ」とよく似ていると思う。その容易なアクセス度からいうと、東海岸で入手可能なワシントン州産地ビールの最も代表的なブランドだと言える。そのアクセス度は、「ジャイアント」や「セーフウェイ」でどれくらい売られているかという点から比較できる。これまで紹介してきたビールの中で、ワシントン州産といったら「ピラミッド」と「ピーツ」があるが、「ピラミッド」はどこの町にもあるような最もありふれたスーパーマーケットでは手に入らないし、「ピーツ」は季節限定ビールが有名なのでそれなりに1年を通じて陳列棚を賑わせるが、どうもシアトル産だということをイメージしにくい。ボクはつい最近までこれはコネチカットかバーモント州の地ビールだと思っていた。

 

「レッド・フック」は、ラベルのデザインからして森がモチーフにあるのがひと目でわかる。これまで紹介してきたビールを振り返ってみても、森をモチーフにしているビールは「スパニッシュ・ピークス」や「アンダーソン・バレー」「スティール・ヘッド」等、ロッキー山脈の西側で生産されているものが多いような気がする。だから、ラベルを見ればそのビールが西海岸の方のビールだということは想像しやすい。但し、「レッド・フック」自体はあまり魅力的なラベルだとはいい辛い。

 

そんな「レッド・フック」をこれまで1度だけ飲んだのは、2001年12月のクリスマスの頃だった。その頃の「ジャイアント」では「レッド・フック」をあまり大きくは扱っていなかったが、「ウィンターフック」を初めて見かけて、あの野暮ったいラベルとは違い、クリスマスを意識させる特別なラベルを使っていたのに惹かれ、購入してみることにした。ラベルとは違い、「レッド・フック」の王冠はなかなか美しくて、気にはなっていたからだ。2001年12月といえば、「オーデル」の「90シリング・エール」に感動した直後のことだったので、残念ながら「ウィンターフック」の特徴は今は覚えていない。覚えていないということは、少なくとも強烈に苦かったとか、強烈に水っぽかったとか、特徴がなかったのだろう。もう一度買って飲んで見ないとわからないが、リンゴの匂いがするらしい。当時のボクは、飲む前に香を楽しむような習慣がなかった。当時、この「ウィンターフック」は季節限定だと思っていたが、調べてみると今では通年販売されていることがわかった。ボブ・クラインの評価は3.6と、決して悪くはない。ビール探求の旅が終盤に入ってきたら、もう一度、ボブ・クラインが高い評価を付けているビールを飲みなおしてみたいと思っている。「今思えばなかなか美味しかったかもしれない」ビールの一例として、「レッド・フック」などはもう一度飲んでみてもいいかもしれない。

 

2003年4月6日)

 

レッド・フックのウェブサイトはこちら