パパが飲んだビールシリーズ68

 

Lamar St.

 

 


醸造:イリノイ州シカゴ

 

アクセス:

オーガニック食材専門のマーケット「フレッシュ・フィールズ」にて入手可能

 

寸評:

Lamar Street Pale Ale

このビールの評価は、Ratebeer.comに詳しく出ています。

 

ひとこと:

「ラマール・ストリート」は、有機野菜や健康食品スーパー「フレッシュ・フィールズ」で有名なホール・フーズ・マーケットのプライベート・ブランドである。だから、この界隈では、「フレッシュ・フィールズ」に行かないと手に入らない。そして、プライベート・ブランドということは、どこかのビール会社に生産委託をしていて、その委託先が時々変わったりするようである。今は、「グース・アイランド」で有名なグース・アイランド醸造会社で生産されているからイリノイ・ビールにカウントしたが、このブランドをよく調べてみると、その前にはカリフォルニア州のノース・コースト醸造会社やパノラマ醸造会社で生産されていたこともあるらしい。「ゴールデン・エール」に至っては、コロラド州ボルダーのロッキー醸造会社の生産だとされている。

 

それでは、「ラマール・ストリート」の名の由来となった通りは、アメリカのどこにあるのだろうか。少し気になったので調べてみたが、ホール・フーズ・マーケット社の本社があるテキサス州オースティンの通りの名前らしい。そうすると、「ラマール・ストリート」はイリノイ・ビールというより、テキサス・ビールと呼んだ方が適切かもしれない。

 

アメリカン・ペール・エールというカテゴリーは、本場のペール・エールよりも薄めに作られたエールのことを指すのではないかという話は、先日の「ユーレカ!」紹介コラムの中でも触れたが、「ラマール・ストリート」もこれに該当する。どこででも通用する無難なエールに仕上げようとすれば、自ずと薄めにせざるを得ないのだろう。ホール・フーズ・マーケット社のチェーン店は、全米26の州とカナダにまたがり、143ヶ所に店舗がある。高温多湿なルイジアナと、乾燥したアリゾナ、ニューメキシコ、厳寒のウィスコンシン、カナダ、東海岸のニューヨーク、ロードアイランドなどを1つのエールでカバーしようというのだから、無難な仕上げになるのは仕方がないだろう。

 

無難な仕上げがまずいと言うつもりはない。あまり特徴のあるビールとは言えないけれど、「フレッシュ・フィールズ」のようなスーパーで「オーガニック」の1文字をラベルに躍らせて販売されれば、ここに来るような消費者は、1パック7ドルであっても買おうと考える人はいるかもしれない。味が同じであっても、「セーフウェイ」で「ユーレカ!」に手を出すような消費者と、「フレッシュ・フィールズ」に買い物に来る購買層とは明らかに消費性向が違う。

 

2003年4月7日)