パパが飲んだビールシリーズ77

 

Arrogant Bastard Ale

 

 


醸造:カリフォルニア州サン・マルコス

 

アクセス:

有機食材専門の健康食品スーパー「フレッシュ・フィールズ」で発見!

 

飲めるビールの種類:

Arrogant Bastard Ale

“Sharply bitter with a fresh, fruity aroma and taste; thick, almost gummy mouthfeel; aggressively hoppy without any moderating maltiness (or anything else); heavily roasted malt taste only adds to the intensity, as does the alcohol potency (7.2%/vol.); aftertaste is bitter and unsatisfying; thankfully, it finishes fruitier and lighter than the beginning (or middle), but still is too unidimensional; flavorful, but a tough drink to handle, especially for newcomer.” (The Beer Lover’s Rating Guide)

 

ひとこと:

このビール、ある意味では掟破りである。だいたい、銘柄名をどうやってこの紹介ページのヘッドラインに持って行っていいかわからなかった。製造元は「ストーン醸造会社」というが、そんな企業名や、或いは確立されたブランド名を販売するビールにつけているわけではない。「アロガント・バスタード・エール」というビール名から、醸造会社の名前が全く想像できないのである。

 

また、ビールの裏面のラベルに書かれている文言も非常に挑戦的である。「きっとお前らにはこのエールの美味しさは理解できないだろう」と言っている。まるで、「この車の技術的洗練度が理解できないドライバーはこの車に乗る資格はない」というゴーン社長就任前の日産自動車の技術者のマインドとすごく似ている気がする。「これだけ技術的に素晴らしいものを作ったのだから、売れるのが当たり前だ」という傲慢さが垣間見える。それを逆手に取って命名されているビールなのだろう。「アロガント(Arrogant)」とは、「横柄な」という意味である。「バスタード(Bastard)」は、「にせもの、嫌な奴」という意味があるのだが、英英辞典で調べると、「ハイブリッド(雑種)」という意味もあることがわかる。おそらく生産者が、いろいろなレシピを組み合わせて、自分自身では「これこそ最高!」と思えるビールを作ったということなのだろう。

 

ただ、正直な話、このエールは、先日紹介した「ベア・リパブリック」の「レッド・ロケット・エール」とさほど区別がつかない。泡立ち方、ビールの色、苦味、アルコール度の高さ、どれをとっても「レッド・ロケット・エール」と同じような気がする。ボブ・クラインの評価は2.3とエールにしては芳しくない。「この味が理解できない奴は飲まなくてもいいぜ!」という挑戦的な傲慢さが鼻につき、ただでも印象を悪くしている。同じボブ・クラインは、「レギア」のラガーに2.4という評価を与えていることを考えると、エールとして2.3点しか付かないというのはちょっと評価が辛いのではないかと思う。どうも、味そのものとは違う次元のところで、辛口の評価に繋がっているような気がしてならない。

 

アロガント・バスタード・エールを生産するストーン醸造会社のウェブサイトはこちらから!

 

(2003年4月27日)