パパが飲んだビールシリーズ112
醸造:ペンシルベニア州ハリスバーグ
アクセス:
ワシントン界隈で確実に入手するには、「トータル・ワイン」に行くのがベスト!
寸評:
“Filling
mouthfeel of subdued, prolonged hoppiness that unfortunately doesn’t maintain its
strong presence; hints of hoppy spiciness float throughout each sip; sly,
underlying fruitiness adds balance and taste perspective; less aggressive than
a more traditional pale ale, but well within the acceptable hop zone
nonetheless; mild floral aroma; snapless, but accommodating. Appropriate with sharp cheeses and/or
seasonal meats.” (Bob Klein, “The Beer Lover’s Rating Guide”)
“On
the first sip, a soft hit of hop-spice goes straight to the roof of the mouth
and spreads out. Soon the hop
character skillfully incorporates a quiet, malty component. The sweet, caramel-like aroma serves as
a subtle counterpoint to an effervescent bite on the tongue. A fine example of the brewer’s art,
Troegs’s amber lager finishes with a noticeable malty impact.” (365 Bottles of
Beer for the Year 2003)
ひとこと:
最近、本社と実際のビール生産が行なわれている場所が大きく異なるようなトリッキーなビールの紹介が続いていたので、「トローグ」のように生まれも育ちもペンシルベニア州ハリスバーグというビールを紹介する時はほっとする。久々のペンシルベニアビールの紹介となったわけだが、なぜ「トローグ」を最後まで取っておいたかというと、ボクにとっては最もお世話になったペンシルベニア産地ビールだからである。
この際、アメリカ国内どこに行ってもアクセス可能な「ローリング・ロック」と「イングリング」は除く。そうすると、残るペンシルベニア産瓶ビールといったら、「スタウト」「ビクトリー」「トローグ」となる。この三者は、どこがどうという差が殆どない。味に大きな差があるとも思えないし、ラベルのデザイン的にどこがどう秀でているというわけでもない。「トローグ」に関して飲んだビールは4種類ほどあるが、種類の豊富さでもこの三者には大きな差はないと思う。「トータル・ワイン」で陳列棚を占めるスペース的にも差はない。これら3銘柄をそれ以外のお店で探すなら、「フレッシュ・フィールズ」をお薦めする。だが、王冠コレクターのボクは、この三者の間で最も大きな差として、王冠のデザインのカッコよさを挙げざるを得ないだろう。「トローグ」が明らかにカッコよいのである。従って、この三者の中でも最も先に手を出した銘柄が「トローグ」であり、そして離任を前にしていよいよ大詰めを迎えつつあるボクのビール探訪の旅において、最後の切り札として取っておいたペンシルベニアビールも「トローグ」であったというわけだ。
味も癖がなく、誰にも安心して推薦できる。個人的にはやっぱりラガーとかピルゼンのような薄めのビールが好きだし、まだまだ暖かい今の季節にも合っていると思う。季節限定ビールの種類も「スタウト」ほどではないので、もしアメリカにずっと住み続けて、ビールを飲み続けるなら、多少のこだわりを持って年に何回かは6本パックを買ってみたいと思えるビールである。さらに、このビールは実は24本入りのバラエティパックがある。「ペール・エール」「アンバー・エール」「ナット・ブラウン・エール」「ラガー」で構成されていて、パーティなどにはぴったりだと思う。こうしたバラエティパックを備えているのは、この界隈ではバージニアの「オールド・ドミニオン」ぐらいしかない。
(2003年9月11日)