パパが飲んだビールシリーズ82

 

Shiner

 

 


醸造:テキサス州シャイナー

 

アクセス:

以前は「トータル・ワイン」ぐらいでしか見かけなかったが、最近は主だったスーパーマーケットでは入手が可能。

 

飲めるビールの種類:

Shiner Bock

“Indistinct aroma; brownish-red color; hardly any heads; not unpleasant mustiness at the back of the throat; somewhat flabby; satisfying warmth redeems it partially; seems to be on the verge of tasting good, but in the end disappoints; pedestrian with food.” (The Beer Lover’s Rating Guide)

 

ひとこと:

先ず最初に、「パパが飲んだビール」シリーズを2ヶ月もお休みしてしまったことをお詫びいたします。実は、4月下旬頃から生まれて初めて花粉症の餌食になり、舌が荒れてビールの味がよくわからなくなってしまった。ひどい時は、あの「ピルズナー・ウーアケル」ですら不味くて飲みきれなかったし、それで悪酔いして一晩寝込んだこともある。ちょっと肝臓が弱っていることもあるかもしれない。とにかく、ビールが美味しくなくて、飲む気になれなかったのである。

 

その間にも、飲む機会がなかったわけではない。ただ、ここで紹介するような新しいものに挑戦する気力はなかった。でも、季節が春から夏に移り変わるにつれ、野外バーベキューとか、パーティーとか、主催したりされたりする頻度が増えた。差し入れでビールを持って行ったり、差し入れてもらったりを繰り返すうち、少し新しく紹介すべき銘柄が増えてきた。これから少しずつ紹介してゆきたい。

 

その第一弾は、テキサスビール「シャイナー」である。「シャイナー」を飲むのは決して初めてではなく、1年前に一度飲んだことがある。あまり特徴がなくて、他人に飲ませるには無難なビールだったので、2003年7月26日から27日にかけてメリーランド州ロッキー・ギャップ州立公園にキャンプに出かけた際、差し入れとして久し振りに購入してみることにした。以前「ローン・スター」でも紹介した通り、テキサスビールは想定されている気候が比較的高温乾燥なので、東海岸のメリーランド辺りの高温多湿の気候とはちょっと違うが、ロッキー・ギャップ自体はアレゲニー山脈の中に位置する高原地帯で、比較的湿度が低いし、ワシントン辺りと比べて気温が1、2℃低いので、テキサスビールでも飲みやすいのではないかと思った。勿論、テキサスビールの「軽さ」が、キャンプの夕食のようなだらだらと長く飲食を続ける状況に合っているようにも思った。また、結果論であるが、ボックはドイツソーセージによく合うと言われている。キャンプに参加されたMさんご家族が、メリーランド州ジャーマンタウンで美味しいソーセージを調達して持って来て下さったのがよかった。

 

世界的ビールの大家であるボブ・クライン氏の評価は、冒頭ご紹介した通り、非常に芳しくない。5段階評価で2.4である。でも、他人に勧めることができるこの無難さは大切だと思う。コクや匂いや喉越しを楽しむだけがビールではなく、会話を弾ませるのもまたビールだ。「シャイナー」は悪くない。

 

シャイナーのウェブサイトはこちらから

 

(2003年7月28日)