パパが飲んだビールシリーズ85
醸造:キングストン(ジャマイカ)
アクセス:
ワシントン周辺のスーパーマーケットならたいてい入手可能。
飲めるビールの種類:
“Weak hops, malt, and color, with immediate
overall ballpark-beer ambiance; weakens still further after a sip or two; some lively
flavor holds your interest, but not for long; soft fizziness saves it from
blandness; faintly stale odor; plain and not especially memorable; appropriate
for novices building their imported-beer library; still, remains in the
low-average range. Serve with a
salami and cheese sandwich or sourdough pretzels.” (Bob Klein “The Beer Lover’s
Rating Guide”)
ひとこと:
既に2年以上前のことになってしまったが、ボクたちがネパールに住んでいた時にJICAのプロジェクト調整員としてカトマンズに来られていたOさんが、ジャマイカで別のJICAプロジェクトの調整員をされていて、奥さん同志も仲が良かったので、Oさんご家族が任期を終えて帰国される前に一度ジャマイカを訪ねようと思いたち、2001年4月の中旬に、1週間ほどモンティゴ・ベイ、マンデビル、キングストンなどで滞在するバカンス旅行を計画したことがある。前半の4泊をモンティゴ・ベイのビーチリゾートで過ごし、後半はマンデビルのO家にお世話になった。途中、Oさんのお仕事の都合もあって、モンティゴ・ベイからだと島の反対側になるキングストンの街でも1泊した。
当時は未だ自分が飲んだビールを情報整理してみようとはあまり考えていなかったが、異国を訪ねればその土地のビールが何であるかを知りたくなる、経験したくなるのは必定だ。ボクの場合は、アメリカでもやたらと入手がやさしい「レッド・ストライプ」がジャマイカ製だということを知っていたので、普段の日常生活の中では全く挑戦したこともなかった「レッド・ストライプ」を、ご当地で集中的に飲むことにした。
日本でも翻訳が出版されているほどの世界的ビール評論家であるマイケル・ジャクソン氏は、その著書「世界のビール案内」(晶文社)の中で、『のどの渇きをいやすジャマイカのレッド・ストライプ』という見出しでカリブ海ビールを語るページがあるので引用してみたい。
【引用】
ジャマイカ産の「レッド・ストライプ」は、カリブ海諸国のビールの評判を世界に広めることに一役かった。レッド・ストライプは非常に軽い味わいで、貯酒期間が短いために幾分果実的で、芳香豊かなラガービールである。エキス11.8度、アルコール分4.6%、70%の大麦麦芽と30%のトウモロコシでつくられていて、苦味価は14BUと低い。このビールは、ジャマイカの首都で港町であるキングストンにあるゴールド・サパー・ショップで、フィッシュ・スナックといっしょに飲むと最高だ。
(中略)レッド・ストライプのオリジナルはエールのような濃色ビールであった。1918年創立のこのビール会社は地方レベルの醸造所の中で最も大きな会社に成長した。今日のスタイルは1934年にできあがったものだが、この醸造所には、強くて(エキス17度、アルコール分7%)麦芽的なドラゴン・スタウトと呼ばれる下面発酵のスウィート・スタウトがある。
マイケル・ジャクソン氏が比較的好意的に書いているのに対し、レーティング・ガイドで有名なボブ・クライン氏は、2.2と比較的辛口の評価を下している。クライン氏は上記の評価コメントの中で、サラミやチーズサンドウィッチ、プレッツェルに合うと書いているのだが、ジャマイカで散々「レッド・ストライプ」を飲みまくり、ジャマイカの食事をエンジョイしたボクとしては、アメリカであってもステーキとは合うに違いないと感じている。「レッド・ストライプ」はアメリカで飲むとあまり特徴がないと感じるのは事実だが、あの常夏のカリブの島国に行き、辛口のジャーク・ソースをかけたビーフステーキにとてもよく合うビールだと思った。
(2003年7月28日)