パパ&ママが飲んだワインシリーズ@

 

 

Loudoun Valley

 


《2001年8月撮影、千智が未だ小さい・・・》

 

寸評:

バージニア州アーリントンから車で約1時間、リーズバーグの少し北西の方角にあり、ポトマック川からもほど近い。ラウドウン郡自体がなだらかな丘陵地帯になっていて、大きなサイロを持った牧場が幾つも点在する中に、所々ブドウ畑が見える。ラウドウン郡にはブドウ畑に隣接したワイナリーが多く集中している。

 

「ラウドウン・バレー」は、同郡内でも最も見晴らしがよい丘の上にワイナリーを設けており、建物の外にはビーチパラソルやベンチが常設されていて、ここで買ったワインを開けて、景色を肴に飲むには丁度よい。子供は広い原っぱで走り回らせておけばよいし、格好のピクニック・グランドだと思う。

 

試飲をした上で好きなものを選んで購入ができる。ワイナリー紹介コラムの第1回目だから、最初に自分の立場を明確にしておくが、ワインやビールの味なんてのは個々人の主観の問題で、自分にとっては美味しいと思ったワインが、他の人にとっては美味しくないというケースは非常に多いことに留意しなければならないと思う。それに、ブドウの味自体が年によっても違うだろうし、2000年産は良かったけれど2001年産は全くダメなんてこともよくあることだと思う。だから、ワインの味は特に、生産された場所と生産された年次に大きく左右される。ぼくにとってという断りを付けた上で、2000年ものの「ラウドウン・バレー」についてコメントするなら、ちょっとクセが強いので、特にお客様に「バージニア・ワイン」だと言って最初に薦めるワインとしては避けた方が無難だろうと思う。味は主観の問題だとは言いつつも、一緒にワイナリーを訪れた大人4人が揃って「美味しくない」と表するワインには、何か理由がある筈だ。ブドウ畑の景色自体はとてもいいのだが、味に関しては他人に飲ませるリスクは相当大きいと覚悟しておかなければならない。

 

ぼくはカリフォルニアのナパ・バレーとかフランスのブルゴーニュ地方とか行ったことがないので、カリフォルニア・ワインとのトータルで比較するのは難しいのだが、多くの人が、「バージニア・ワイン」を総括して「カリフォルニアの方が美味しい」と言う。確かに、ラウドウン郡のワイナリーの多くが1980年代後半に開業していて、「バージニア・ワイン」のなかでも歴史が浅いグループに属する。でも、ラウドウン郡のワインだけを飲んで、「バージニア・ワイン」を語るのはちょっと待ってほしい。長い歴史を誇るワイナリーも存在するのである。それともう1つ、「バージニア・ワイン」の良さは、造られた場所に行ってブドウ畑を見ながらグラスを傾けることができる、ワインの味「プラスα」が存在することを忘れてはいけない。ピクニック感覚で出かけていって、現地で買ったバージニア・ワインをその場で開けて、子供を広い野原で放し飼いしつつ、景色を肴に飲むのはそんなに悪くないと思う。そもそもそんなシチュエーションで、最高級のブルゴーニュ・ワインなんて飲まないでしょ!

 

ラウドウン・バレーのウェブサイトはこちら