パパが飲んだビールシリーズ33
醸造:ミネソタ州ミネアポリス
アクセス:「トレーダー・ジョーズ」でしか入手困難だったが、今やここですら置いていない幻のビールと化した。
“Pleasant uncomplex flavor features a
gentle whisper of mild, sweet maltiness that lingers on the tongue; a kiss of hops
wanders forward and nicely balances the malt; thick head is long-lasting, but
Brussels lace fades too rapidly; finishes with a vague but charming fruitiness;
this is a quality beer that needs a little fine-tuning to make it thoroughly
enjoyable; serve it cool, neither warm or cold. Makes for an interesting partner with slices of barbequed
beef or pork on a roll.” (The Beer Lover’s Rating Guide)
ひとこと:
「ジェームズ・ペイジ」は、ぼくに王冠コレクターへの道を歩ませるきっかけを作ったビールである。今から2年前の丁度今ごろ、ぼくたちは初めて「トレーダー・ジョーズ」というスーパーに入った。ここのビールの品揃えは、それまでに買出しで訪れたことのあった「ジャイアント」や「セーフウェイ」とは明らかに違い、聞かないブランドであっても味がそこそこで値段もまずまずといったものを集めていて、特徴が強かった。そこで、取り合えずということで買ってみたのが「アイアン・レンジ・アンバーラガー」というビールだった。生産地はビールの都ミルウォーキーにも近いミネソタ州ミネアポリス、とっかかりとしてはまずまずのビールだと思った。
その直後、ぼくたちは離任されるJICAのK次長宅からソファー・セットを譲り受けるために、職場の同僚だったK職員やHさん御夫妻の協力を仰ぎ、新しい家具を我が家に搬入した。搬入作業が全て終わり、遅めの昼食としてカレーライスを振る舞った際、よかったら如何と薦めたのがたまたま我が家に買い置きがあったこのビールで、お酒好きのK職員が、「このビールなかなか美味しいですね」と言って下さった。アメリカの地ビール探求の旅の出発点は、「アイアン・レンジ」がなかなか美味しいビールであったことに由来する。
「アイアン・レンジ」は青と赤の派手な色使いで、ラベルにある「ジェームズ・ペイジ」本人とおぼしきイラストが、古き時代の保安官を連想させる力強さを持っていて、とても印象的なデザインだった。
その後、「ジェームズ・ペイジ」は、「トレーダー・ジョーズ」の店頭からもやがて姿を消し、今となっては幻のビールとなってしまった。ワシントン界隈では、どこを探しても見つけることができない。こうなったらミネアポリスまで行くしかない。日本からアメリカに飛んでいるノースウェスト航空のゲートウェイ空港はこのミネアポリス・セントポール空港である。どうせなら、ノースウェストのチケットでアメリカに渡航を考えておられる方は、経由地のミネアポリスの空港の待ち時間の間に、ビアパブで「ジェームズ・ペイジ」を飲んでみられてはいかがかと思う。2年前の印象なので、いろいろ飲み比べてみた後でこのビールがどの程度美味しかったのかは今となってはわからないけれど、お薦めの地ビールの1つであることは間違いない。
(2003年2月13日)