パパが飲んだビールシリーズ109
醸造:オンタリオ州ロンドン(カナダ)
アクセス:
どこのスーパーでもたいてい置いてある。
ひとこと:
最近、このコーナーで紹介しているビールは、出自を説明するのがとてもトリッキーである。この「エレファント」というビール、その名の通り、ラベルには象のイラストがあしらわれている。そして、そのラベルの縁をよく見てみると、醸造元はカナダのラバット社となっている。しかし、「エレファント」というブランド自体は、実はデンマークのカールスバーグ社の一ブランドである。
なぜこのような複雑なことになっているのかというと、要するにラバット社とカールスバーグ社が資本提携しているからなのだ。カールスバーグのブランドビールを、ラバット社がカナダ国内で受託生産しているという仕組だ。ラバット社は、ペンシルベニアの「ローリング・ロック」やイタリアの「モレッティ」にも資本参加している多国籍企業だ。グローバリゼーションというのは何もモノの流れだけについて言えるわけではない。企業もどんどんグローバル化して、特に大手のビールメーカーはどこかで他国の同業者と手を組んでいる。そういう目で見ると、確かに「エレファント」はスーパーの陳列棚では「モレッティ」と位置付けがよく似ているような気がする。
味のほうは要するにマスプロビールの味である。可もなく不可もない。イラストにちなんで、「これはアフリカのビールだよ」とうそぶいて他人に薦めてみても良いかもしれない。これをカナダビールというには若干抵抗がある。やっぱりデンマークビールなのではないかと思う。
(2003年8月30日)