パパが飲んだビールシリーズ82
醸造:ルイジアナ州ニューオリンズ
アクセス:
確実に入手するならビールの量販店に行くのがベスト。「トータル・ワイン」にはたいてい置いてある。
飲めるビールの種類:
“Great uplifting spirit entering and
leaving the palate; crisp and refreshing; brewed for an appreciative popular
taste; texture outplays flavor, but end result is a comprehensive beer worthy
of repeat performances.
Accompanies (what else?) oysters on the half-shell, crawfish, and spicy
shrimp.” (The Beer Lover’s Rating Guide)
“Teasing sweetness with pungency in
background, punctuated by snappy pinpricks of fizz; texture is tamped down and
smoothed out in mid-bottle; flatness rapidly settles in, underscoring lack of
complexity and integration of ingredients; fades toward water; rich
reddish-brown with hint of purple when held up to the light; faint fruity,
molasses feel at finish, along with the return of a malty aroma; in the end,
disappointing. Full and almost
fruity with linguine with clam sauce.” (The Beer Lover’s Rating Guide)
ひとこと:
紹介するのが極めて遅くなったが、実は、アメリカでボクが初めて飲んだ地ビールが「ディクシー」なのである。勿論、「バドワイザー」や「クアーズ」といったマスプロビールは除外した上での話だ。ボクがルイジアナ留学中の1986年2月、東京の大学の友人だったS君が卒業旅行で遊びにきた時、ニューオリンズのフレンチクォーターにあるレストランで生牡蠣を食べた。その時にオーダーしたビールが「ディクシー・ラガー」だった。このレストランはバーボン・ストリートにあるが、あれから17年も経った今年の4月、義父を案内してフレンチクォーターを歩いた際、このレストランが未だ健在であることに気付いた。
「ディクシー」はニューオリンズのご当地ビールである。「クレッセント・シティ」と違い、「ディクシー」は瓶詰めで販売されているので、フレンチクォーターのどのバーに入ってもボトルで注文できる。ボトルを片手に、バンドの生演奏に酔いしれ、飲みきれなければそのボトルを持って通りをそぞろ歩きする、それがフレンチクォーターの酔いどれ男の慣わしだ。一次会、二次会とアルコールをガンガン入れて、ちょっと危ない状況で、もう1件とバーに入る。そして「ディクシー」を注文する。演奏するバンドとの距離には要注意、さらに演奏しているのがケイジャン音楽だったらさらに要注意だ。性質の悪いバンドは、観客をステージに引っ張り込んで、一緒に演奏させようとする。洗濯板みたいな波型の鉄板を首にぶら下げ、スプーン2本を上下させることで立派な楽器に早変わりだ。でも、調子に乗って1曲演奏に協力してしまうと、酔いは最高潮に達する。気持ち悪いのを我慢しつつ、次の店に向かうことになる。
それで評価はどうかというと、ボブ・クライン氏の講評の通りだと思う。このビールは、高温多湿のアメリカ深南部で飲むからこそ美味しいのだと思う。当然これに合わせる料理はといったら、スパイスの効いたシーフードなのだろう。「ブードゥー・ラガー」の方も、ちょっとおどろおどろしいラベルのデザインで損しているところはあるかもしれないが、それほど不味いビールではないという印象だった。
(2003年5月28日)