パパ&ママが飲んだワインシリーズA

 

 

Breaux

 

 


「ブロー」も、バージニア州ラウドウン郡のワイナリーの1つで、アーリントンから車で約1時間10分、同郡のワイナリーの中では最も西に位置しており、ウェスト・バージニア州ハーパーズ・フェリーからも10マイルほどしか離れていない。以前、「ラウドウン・バレー」のワイナリーの丘陵地帯の景色の良さを褒めたけれど、「ブロー」の周辺は起伏があまりなく、ワイナリーの東側になだらかな丘陵がある以外は、地形の面白さがあるような場所ではない。でも、ゲストハウスから西側に展開するブドウ畑を眺めるのはなかなかの風情であり、初夏の午後に屋外のテーブルに腰かけ、ワイングラスを片手にぼーっと過ごすにはよい。

 

ここではワインのテイスティングもできるのだけれども、酔っ払ってワシントンまで帰るにはリスクも大きいので(この周辺、パトカーがスピード違反検挙のために所々で張っているのだ)、テイスティングまでやったことがない。ただ、試しに買った「メルロー」の赤が美味しかったので、その後も「メルロー」ばかり買っている。ボクたちは徹底してバージニア・ワインを調べているわけではないので、あまり自信を持っては言えないが、今まで飲んだバージニア・ワインの中では、「ブロー」の「メルロー赤」はいちばん美味しかった。(でも、「ブロー」の代表的銘柄は「キャベルネ・ソウヴィニョン」らしい。「メルロー」も「キャベルネ・・・」も、黒地に赤のザリガニのラベルが目印だ。

 

「ブロー(Breaux)」という名前と「ザリガニ」、それに「ラフィエット・キャベルネ」という銘柄―――ボクはすぐに、ここはルイジアナのケイジャンと関係があるのかなと考えた。「ブロー」というのは、ここのオーナー夫妻の姓で、調べてみるとやっぱりこのオーナーはケイジャンの子孫であることがわかった。1985年からブドウの植樹を始めて、最初のワイン生産は1998年というから、歴史の浅いブランドだ。今のバージニア北部のワイナリーはたいていがこれくらいの時期から開業しているから、特段「ブロー」だけが新しいというわけではない。

 

ワシントンからは比較的遠いので、そんなに頻繁に行けるワイナリーではない。マクレインの「トータル・ワイン」のバージニア・ワインの陳列棚に行って、ザリガニのラベルの赤ワインを探してみよう。そして試してみてまあまあいけるかなと思ったら、ヘイガーズタウン(メリーランド州)やハーパーズ・フェリーからの帰りにちょっとワイナリーに立ち寄ってみるとよい。

 

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