理想の酒を求めて(日本編) (4)

Hoegaarden

醸造地:イッテルビーク(ベルギー)

日本で飲める商品:ありません。ボクはブリュッセルのLa Becasseというバーで飲みました。


《写真:La Becasse Gueuze》

ひとこと:

ベルギーでは、料理によって飲むビールを使い分けるという。レストランに入ったら、飲むビールと注文する料理の組み合わせはよく考えた方がよい。でも、そんなこと全然わからないというボクは、レストラン&バーに入れば、先ずはそこのお奨めのビールを注文する。料理はだいたいそれに合わせた味付けになっているような気がする。

旅に出て、なおかつ滞在期間が半日とか1日しかない場合、面倒くさがりのボクは、お手頃なガイドブックをそのまま信用することにしている。全部というわけにはいかないが、1軒くらいはそれでもいいと思うのだ。JALはご丁寧なことに飛行機を飛ばしている先の都市の地図は大体作っていて、地図の裏面に簡単なガイドを乗せている。JALの情報収集方法はスチュワーデスさんに決まっている。グルメなスチュワーデスさんが渡航先で食べ歩いて稼いだ情報だ。外れがあるとは考えられない。

そこで、JALのブリュッセルガイドに素直に従って、「La Becasse」というレストラン&バーに入ってみた。証券取引所から2ブロック、グラン・パレ広場からも3ブロックほどしか離れていない場所にあるが、通りに面しておらず、とても狭い路地を抜けた中庭みたいなところに入り口がある。ここは創業125年という結構な老舗で、ブリュッセルで買ったベルギービールガイド「Guide to Belgian Beers」(Petit Fute著)にもしっかり紹介されている。


La Becasse
Rue de Tabora, 11
1000 Bruxelles, Belgium
Phone: 02-511-0006

ここのお奨めは、陶磁器製のポットに入って出てくるランビック・ビールだ。一応、「La Becasse」のブランドで売られているランビックだが、実際の醸造はこの場所で行なわれているのではなく、Itterbeekという町にあるティメルマンス(Timmermans)醸造所が作っているのである。

最初の話題に戻すと、ボクはこのレストランでスパゲティ・ボロネーズを注文した。グラタンの器にチーズをたっぷりと振りかけ、チーズかスパゲティかというようなスゴイ料理だった。グーズ・ランビックは相変わらず一口目がとても酸っぱい。とても全部飲みきれるとは思えなかったのだが、スパゲティを食べ進むにつれ、ビールの方も初期の酸っぱさが消えて徐々に甘さを感じ始めるのだ。とても面白い変化だ。

ここのレストラン、観光客でごった返す通りの喧騒からは少し離れ、とても落ち着いたたたずまいで雰囲気がよい。ブリュッセル観光で疲れたら、ちょっと一休みで午後の一杯を楽しむために訪れると丁度よいと思う。

(2004年6月24日)