理想の酒を求めて(日本編) (6)

Hoegaarden

醸造地:ルーヴェン(ベルギー)

日本で飲める商品:Leffe Blonde

有識者の評価
"Tart and sharp with slight mustiness; full yeast taste increases as beer warms; nice balance between hops and molt, with gentle bitterness predominating; slight haze fuzzes up pale-brond color; minimal winey aroma; sweet alcohol finish; in general, a good representative of the style. A nice match with Southern-style foods, such as fried chicken and honey-grazed baked ham." (Bob Klein, The Beer Lover's Rating Guide)

ひとこと:

ベルギーには、ブリュッセル周辺で醸造されている「ランビック」、ヒューガルデンが有名な小麦ビール(白ビール)に加え、「トラピスト・ビール」と呼ばれるトラピスト会修道院で醸造されているビールがある。特別な製法があるわけではなく、アルコール度が高く、常温発酵、瓶内熟成等といった共通点があるくらいだ。トラピスト・ビールについてはいずれ別のコラムで紹介したいと思うが、このカテゴリーのビールは、フランス国内の1ブランドも含め、全部で6ブランドしかない。

それじゃ、今回紹介する「レフ」は、ラベルに修道院とおぼしきイラストをあつらえているからトラピスト・ビールなのかというと、決してそうではない。「アベイ・ビール(Abbey Beer)」という別のカテゴリーなのだという。アベイ・ビールも「修道院ビール」の一種であるから少し紛らわしい。修道院の名前だけ借りて一般の醸造所が生産するビールなのだとか。そして、修道院は名前の賃借料収入を得るのである。では、レフという修道院の名を借りてビールを生産している会社はどこでしょうか――それはまたまたインターブリュー社でありました。

このビール、一気飲みするにはちょっと強いので要注意だ。ちびりちびり飲んだ方が味も楽しめてよいかもしれない。どんな味かというと、ビターなキャラメルを舐めている感じである。i色は少々濃い目の茶色である。ちょっと比較できるビールが思いつかない。アメリカ駐在時代に飲んだことがあるAllagashやStoudtのアベイ・エールともちょっと違うような気がする。

ベルギーというのは面白い国で、ブリュッセル市中でも空港の免税店でも、ウイスキーやブランデー、タバコと同じようにビールの超大瓶がお土産物として売られている。ウイスキーのボトルを空けるのはちょっと大変だけど、ベルギービールの超大瓶は、お土産で持って帰って家で妻と晩酌でもやったらちょうどいいかもしれないと思う。こうしたお土産物としての超大瓶があるのはトラピスト・ビールやアベイ・ビールが特に多いようである。王冠ではなく、コルクで栓がされていて、シャンパンを開けるような感覚で飲めるだろう。「レフ」もそういう形で入手が可能だ。読者の皆さん、旅の経由地でブリュッセル空港にでも立ち寄る機会があったら、是非ビールを買ってみて下さい。

レフのHPはこちらから

(2004年6月25日)