今や小太りのオッサンになりつつある山田パパが、現在最も気合を入れて取り組んでいるスポーツです。
アメリカに来て最大の成果は、2001年11月に三段を取得したことです。
今は、残り少ない滞在期間のうちに、なるべく多くの剣士を勇気付けて、同じクラブのメンバーで試合に出場することが目標です。
《写真》 2002年5月3日、バージニア日本語補習校にて
1.ワシントン周辺の道場
ワシントンDC近辺には、5つの剣道クラブがあります。
最大なのは志道学院和心館道場です。志道学院は、米国東海岸一帯に幾つかの道場を持ち、ワシントン近郊では、メリーランド州ロックビル(毎週水・金)、バージニア州オークトン(毎週金曜日)で練習を行なっています。ロックビル近辺には日本人が多く住むことから、比較的日本人が多く所属しています。
次に、Northern Virginia Budokai(NorVA)を紹介します。NorVAはバージニア州フェアファックスのジョージ・メイソン大学(GMU)を拠点としており、現在は毎週火曜日と金曜日夜に練習を行なっています。あまり大きなクラブではありませんが、陽気なアメリカ人が中心のクラブで、練習はハードですが、和気藹々とした雰囲気があります。志道学院の剣士が時折練習に顔を出します。
次に、ワシントンDC市内のクラブとして、ジョージ・ワシントン大学(GW)剣道クラブをご紹介します。これは、志道学院所属の出口四段が、留学先の大学GWでも練習の機会をと考え、自ら設立したクラブです。練習日は時期によって変動しますが、現在は土曜日夕方5時〜7時に練習を行なっています。
残る2つのクラブは、私自身もよく知りません。1つは、ワシントン剣道クラブといって、メリーランド州コロンビアのコロンビアアスレチッククラブを拠点としたアメリカ人ばかりのクラブです。ワシントン界隈で最も古いクラブです。全貌はよくわかりませんが、初段から二段の有段者の層はそこそこ厚いようです。練習日は毎週木曜日夜8時〜10時と土曜日の午後12時〜2時です。このクラブの多くの方はGMUや志道学院ロックビルの練習でよくみかけます。
もう1つは、バージニア州メリフィールドにある韓国人による「クンドー」のクラブです。正式名称はわかりません。このクラブとだけはあまり交流の機会がなく、先日初めてGMUで合同練習をしましたが、やたらと打突が速いのが印象的でした。最近耳にしたのは、ここは月謝1200ドル(!)だとか。
2.全米剣道連盟
All
アメリカには地区毎の剣道連盟があり、その上部組織として、全米剣道連盟があります。志道学院和心館道場は、北東部広域剣道連盟 (GNUSKF)、NorVAとワシントン剣道クラブは南東地域剣道(SUSKF)所属です。地区剣連主催の剣道大会が毎年1回開催されます。GNUSKFは4月下旬のクリーブランド(オハイオ州)、SUSKFは10月下旬頃に南部の各クラブの持ち回りで、剣道トーナメントが開催されています。さらに、剣道トーナメントと併せて、地区剣連主催の合同練習と昇段審査会が開催されます。
3.志道学院和心館道場
私が通っている道場です。メリーランド州ベセスダのAmerican Dance Institute (ADI)で水・金の週2回、バージニア州オークトンのOakton Elementary
Schoolで毎週金曜日に練習が行なわれています。ADIの方は、指導者に五段、四段の錚々たるメンバーが名を連ね、中には全米ナショナルチームのメンバーとして全日本チームから1本取った猛者もいます。ワシントン界隈で最もハードな練習をしているのではないかと思います。オークトンは、ワシントン界隈で最大の少年少女剣士の練習場となっており、常時10〜15人の豆剣士が練習に姿を見せるのが特徴となっています。なぜこの界隈に二つも道場を持ち、練習日程が重複する形でも運営されているかというと、バージニア側の会員がベセスダに行くのも、メリーランド側の会員がオークトンに行くのも、どちらも大変だからです。特に、ADIの練習は夜10時半まで続くので、子連れで参加するのは相当に難しいです。
どちらも、常時大人が10〜20人練習に参加していて、特にADIの方は、場所柄日本人も多いし、短期の出張でワシントンを訪問される日本人剣士の受け皿にもなっています。オークトンの方は小学校体育館を使用していますが、練習時間の半分は子供の指導と基本練習に充てられることと、床がリノリュームなので硬くて足を痛めやすいことから、敬遠される有段者の方が多いのが難点です。でも、地道な普及活動が奏効し、最近フェアファックス郡リクリエーション局の認可を受けて、毎週土曜日の夕方、マクレインのSpring Hill Recreation Centerで12回のコースが開催されることになりました。こちらはADI同様ダンススタジオを利用するので、足を痛める心配はありません。
志道学院自体は、元々ニューヨーク周辺で活動していたクラブですが、10年前に現在和心館館長をされているJames Yan先生と現在ノーザンバージニア武道会で指導されているDon Seto先生が、志道学院の加藤先生をワシントンに招聘し、ベセスダのNational
Institute of Health (NIH)で道場を開いたのが始まりです。志道学院は、ニューヨーク、コネチカット、ラトガース大学(ニュージャージー)、ワシントンの他に、フロリダ州マイアミにもあります。加藤先生ご自身はニューヨークに拠点を構えられているので、2ヶ月に1回の頻度で和心館に来て、土・日を使って集中的な指導をされます。私は、高校卒業時でいったん剣道を辞めましたが、それまで出会ったどの先生よりも、加藤先生の指導はわかりやすく、しかもそれまでハウツー本で座学するしかなかった応用技についてもきちんと教えていただいています。剣道が楽しくなった理由の1つは、こうした加藤先生の指導内容にもよると思います。
毎年2月には志道学院全道場の館員を集めたユーストーナメントがニューヨークで開催されます。8月下旬にはコネチカットで約1週間の合宿が行なわれます。私は1週間も家を開けて剣道の練習に専念するのは家族の理解が得られないので一度も参加したことがありません。トーナメントの方も、対象が主に大学生までであるように思ったので、これまで参加したことがありません。
私は、最初に訪れたのがオークトンのクラブだったので、その後もオークトンを中心に練習に参加しています。私が入会した当時初心者だった会員も、今では防具を付けて稽古ができるまでに成長しています。あと1年もすれば、初段を取得できる者も出てくるでしょうし、団体戦でも1チームは最低でも組むことができるようになるだろうと期待しています。オークトンは午後8時〜10時の練習時間で、ウォーミングアップの後、9時までは大人と子供、そして初心者の3グループに分かれて練習します。Yan先生とBob Mahoney先生がそれぞれ1グループずつを指導し、私は主に大人の基本技の練習を任されることが多いのですが、少しだけ実戦を意識して、体当たり技や払い技といった、普段は先生があまり指導されない技の練習を取り入れるよう心がけています。
4.アメリカにおける剣道用具の入手方法
競技人口が少ないアメリカで剣道を続けるのに道具はどうするのか、疑問に思われる方は多いのではないかと思うので、少し紹介します。
l
館員希望者分をまとめて注文: 和心館やノーザンバージニア武道会ではよく行なわれている方法です。注文先は、後で紹介するオンライン・ショッピングだったり、誰かの日本出張時にまとめて買って来てもらうといった方法が取られているようです。私はこれでゼッケンを購入したことがあります。防具とかは寸法を計って注文することができるのでオーダーメードでそれぞれの個性を出せますが、竹刀はそういうわけにもいきません。
l
清田カンパニー: ボルチモアでマーシャルア−ツ全般の道具を扱っています。社長の清田さんは元々空手の出身です。年に1回、日本刀や竹刀の買い付けで日本に出張されます。剣道着の扱いは少ないので気に入った藍染めのものは手に入りませんが、こと木刀や竹刀に関しては実際に手に取って感触を確かめることができるので便利です。しかも、ここの竹刀は全般的に外れがないように思います。但し、竹刀に関しては竹だけのバラ売りをしていないのはちょっと難点。あとは、清田社長は話し好きなので、最低でも1時間は店内で過ごす覚悟が必要です。
Kiyota Company Inc.
Phone: 419-366-8275
Sun.-Closed / Mon.-Fri.
10:00-17:00 / Sat. 10:00-14:30
l
江口武道具: 九州は久留米に本店のあるこの武道具店はロサンゼルスに支店を持ち、全米で開催されるトーナメントやセミナーイベントを行脚して、剣道具の出張販売を行なっています。ここの竹刀は竹だけのバラ売りをしているので、私は試合に行く度に2本くらいは買って帰ることにしています。清田カンパニーの扱いよりも竹刀のバラエティは豊富で、最近日本で流行りの太胴型の竹刀も扱っています。
EGUCHI
2595 Plaza
Phone: 866-328-9262 Fax: 310-328-9393
E-mail: eguchi@earthlink
net
l
オンラインショッピング: アメリカでアクセス可能なオンライン剣道ショップとしては、「e-bogu.com」や「kendoshop.com」、京都の東山堂等があります。「e-bogu.com」は西海岸拠点で有賀先生というアメリカでも有名な先生が運営されています。場所は江口武道具の近くらしいです。「kendoshop.com」は実はトレンディドラマのヒットで剣道がブームとなっている韓国が拠点です。先に述べた通り、オンラインでの注文は本当に気に入ったものを入手できる保証はないので、いたずらにオンラインの利便性に頼るのは危険かもしれません。この他にも、「武人」というラベルがカッコいいコロラド州の「Bujin Design」というサイトもあります。ここは防具や竹刀よりもバッグ類のデザインが秀逸で、バッグパック式に背負える防具バッグはいかにもアメリカンという感じで私も愛用しています。
l
日本に買い出し: 自分が一時期国する時や、知り合いが一時期国する時に頼むものです。自分で買い出しする場合は、かなりの品揃えの中から選ぶことができるので便利は便利です。当然東京での買い出しになりますが、私は今の自分の防具を買ったのも水道橋の尚武堂なので、専らここを利用しています。駅から徒歩3分です。