ギネスブック級の品揃え

 

 

Brickskeller

 

 


場所

ワシントンDC

地下鉄レッド・ラインのデュポンサークル駅下車徒歩7〜8分。P Streetを西に行き、22nd Streetで右折して数軒先。

1523 22nd St., NW, Washington, DC

Phone: 202-293-1885

 

 

ひとこと

ボクが当地で世界中のビールに遭遇できるのは、アメリカが輸入ビールに対して市場を開放しているからに他ならない。グローバリゼーションの果実とは、このような選択肢の拡大にあるわけだが、あまり選択肢が多過ぎても、選ぶのに迷うだけでちっともいいことがないのもグローバリゼーションの影の部分である。世界中のビールを安く飲めるのがグローバリゼーションのよいところだが、選択に余計な時間を取られるのは考えものだ。しかも、遭遇するビールの種類が豊富にあると、ボクのように下らないエッセイを飲んだビールにかこつけて書いて示威行為をする輩も出てくる。そういう奴に限ってビールを片っ端から飲むうちに、お腹もビア樽のようになってゆくのである。

 

それはともかく、このグローバリゼーションの一種の象徴がワシントンにある「ブリックスケラー」である。ここにはオン・タップの自家生産ビールは置いてないが、ビールの品揃えの豊富さでは世界一であり、ギネスブックにも認定されている。実際にここに置かれているビールのブランドを幾つか挙げてみよう。ボクが「パパの趣味の世界・ビール編」で紹介してきたビールの殆どが「ブリックスケラー」ではカバーされている。

 

メイン州: オーラガッシュ、スマッティ・ノーズ

ルイジアナ州: アビータ、ディキシー

カリフォルニア州: アンカー、アンダーソン・バレー、ベア・リパブリック、ビュッテ・クリーク、マッド・リバー、メンドシーノ、ノース・コースト、シエラ・ネバダ、ストーン

オレゴン州: ポートランド、ローグ、ウィドマー・ブラザーズ、

ワシントン州: ピラミッド、レッドフック

コロラド州: エイブリー、ブルー・ムーン、フライング・ドッグ、ジョージ・キリアン、タベルナッシュ

メリーランド州: ブルー・リッジ、クリッパー・シティ、ディグローン、ワイルド・グース、ザ・レイブン

バージニア州: ドミニオン、タッパーズ・ヒップ・ポケット、シェナンドア、セント・ジョージ

ペンシルベニア州: スタウト、ビクトリー、トローグ、ワイヤーバッカー、イングリング

デラウェア州: ドッグフィッシュ・ヘッド

ニューヨーク州: ブルックリン、ニュー・アムステルダム、オメガング、テン・スプリングス

バーモント州: オッター・クリーク、ウォラバー、ウッドチャック

 

また、外国産ビールは原産国としては、アルゼンチン、オーストリア、ベルギー、ボリビア、ブルガリア、カナダ、中国、コロンビア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、ドミニカ共和国、エルサルバドル、イングランド、エストニア、エチオピア、フィンランド、フランス、グルジア、ドイツ、ガーナ、ギリシャ、グアテマラ、ホンジュラス、インド、アイルランド、イスラエル、イタリア、ジャマイカ、日本、ケニア、韓国、ラトビア、レバノン、リトアニア、メキシコ、モロッコ、オランダ、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ポルトガル、プエルトリコ、ルーマニア、ロシア、スコットランド、シンガポール、スロバキア、スペイン、スウェーデン、タイ、トリニダードトバゴ、トルコ、ウクライナのビールを扱っている。一大勢力はなんといってもベルギー、イングランド、ドイツ等で、意外とロシアが多い。

 

これだけのブランド数、しかも1ブランドにつき数種類のビールを取り扱っているから、実際の品目数は相当な数にのぼる筈である。それぞれ小瓶で各テーブルに運ばれてくる。一回行けば3〜4本には挑戦してみたいところだ。未だ見ぬ美味しいビールと出会えるかもしれない。

 

但し、ここの問題は、リストに載っているビールが必ずしもストックされているわけではないということだ。ボクは、友人と飲みに出かけた際、かっこつけて「トローグ」のラガーを注文してみようと試みた。ペンシルベニア州ハリスバーグ生産のれっきとしたご近所ビールである。ところが、ウェイトレスからストックがないと言われた。その他に2件ほど挙げてみたが、いずれもないと言われ、挙句の果てには「イングリング・ラガー」で妥協を強いられたことがある。世界中のビールがあるとはいえ、常時在庫を確保しておくのは至難の技である。なくなってしまったら暫く入荷しないということも十分あり得る。また、在庫があったからといって、必ずしも新鮮なビールであるという保証はない。ビールは生き物だからといくら入念に保管したとしても長く時間も経過しては味も変わってしまうだろう。

 

「ブリックスケラー」のように割り切って、味と新鮮さは追求しないけれども品数は豊富だという路線は、けっこうサービス差別化に貢献しているように思う。料理もそこそこ美味しいし、友人と連れ立って出かけ、ビールに関する薀蓄をたれるというのはなかなかおつなものだ。

 

ブリックスケラーのウェブサイトはこちらから!